ああ、おれ、ここでのたれ死ぬなと、はじめての海外で思った瞬間。 Episode Ⅰ
初めての海外旅行で本当に
「あっ、おれ、死ぬなこれ」って思ったハナシなんですけど。
遠い昔、といってもまあ、20年前くらいのことで。
台湾行ったんです。ひとりで。初めての海外旅行で。
いまこそ、台湾も日本人向けにTVでCMとか、してて結構行ってる人多いとは思うんですけど、私の行った頃は、まだ、そうでもなく。
結構、向こうで日本人の観光客なんて、珍しがられました。
また、それは、安全になってからの話で。
友人が、台湾で仕事してまして、遊びに来いとの手紙を頼りに、はじめてパスポートとって、はじめて飛行機に乗ってピューっと。
勿論、海外でsim freeの携帯とかなんてある訳ない時代なんで、
手紙に、現地に着いたら、これこれのバス停から乗って、あれこれで、降りれば迎えにいけるからと。1枚、台湾の紙幣が入ってまして。注意書きで、
「空港は、レートが高いから日本円は、両替するな。また、こっち来てから手続するから」と。まあ、友情、気遣い。
で、右も左も分からない空港で、なんとかバスに乗り込んで。不安ばかりのバスの車内で、降りそびれたらいけないと、ずっと、目的のバス停こないかと、外、凝視してたんですけど。
目的のバス停にちっとも停まらない。そのバス停が、いつまでたっても現れない。
外も暗くなってきてあれれと思っているうちに、バスが、倉庫に入ってくんですよ。
あっ、やってしまった。乗り間違いか、バス停見逃したか、そこではじめて気付いて。
で、台湾語もできないし、日本円もってないし、ここ、まったくの外国だし、もちろん、(携帯なんてもってないし、というかない時代だし)、外は、完全夜だし、
「ああ、死ぬな、おれ。ここで、のたれ死ぬな......]
真剣に思いました。
-続きます-