『人は、誰でも自分の詩人をもっている』 - 後編 -
ヒミツ 秘密 ㊙︎
なんだろう?
何かを隠しているそぶり?
なんとなしにそれとなく感じてくるんです。
......きっと、ウチの家系は、日本の家系じゃあないな
おそらくは、父型が在日なんだろう.....
そういう土地柄だってのも、ようやくのこと分かってきたんです。
そんな時、15歳の時だったかな。母親の買い物に付き合った帰りにいきなり
しんみりしたモードに入って。
「実はね....」って
はじまるんです。そういう空気。
「お母さんね。お父さんと、結婚する時に、親と親族に大反対されたの。そいういう血縁
の人と結婚するつもりなら、(正確には、人じゃあないぐらい言われたらしい)
2度とウチの敷居は、またぐな」
でも、結婚したの。勘当ってやつ。されて。
お父さんのこと好きだったから」
いや、この話。もっと早く聞きたかった。だから、僕が生まれた。
率直に伝えたら、母親も少しだけ、うれしそうに笑っていました。
『世の中の本当に大事なことって目に見えない』
ですね。王子様。
まあ、青臭いんですけど、15歳なんで。
純粋恋愛みたいなものかなと、勝手に感動しておりました。
まあ、スケール感は、違うんですけど。
金城さんの小説に出会った時に、本当に思いました。
こういうのが、
「人は、誰でも自分の詩人をもっている」
っていうことだなと。詩では、ないんですけど.....