『 人は、誰でも自分の詩人をもっている」- 前編 -

 

『 人は、誰でも自分の詩人をもっている」

 

どこかで、知った言葉なんですが、小説とか詩とか読んでて、

 

そうそうそれ思ってたこと!

それ言いたかったこと、そのまんまやん!

その主人公、まさに俺やん !

 

みたいなことってそういうことなんだろなと思っています。

なんだか、もやもや、言い表せなかったことを、プロの文章の技術家が鮮やかに加工して

出荷してくれる...みたいなことなんでしょうね。

だれでも、本読んでて一度は、思ったことある経験のひとつなんでは、ないでしょうか。

 

で、ずっと時間が遡って...

 

幼い頃に憶えている祖母との思い出の中に、

祖母、友人が訪ねてくると、いつも開けっ放しの応接間を必ず閉めるんです。

 

扉をぴしゃっと。すごい勢いで。

 

ずっとそれが不思議で不思議で。

 

でも、声漏れてくるんです。

 

「=X☆◯△◇×☆◯.....」

みたいな感じで。

 

それが全く聞いたことない言葉喋ってるんです。

 

幼心にうちのばあちゃんの正体は、絶対、宇宙人って思ってました。

 

本当に。

 

親族の法事や、集まりになると父親が神経質になって、僕を2Fの部屋に

上げて、絶対降りてくるなと、強面で注意されるんです。

 

絶対、銀行強盗とか、悪い相談してるって、

悩んだりしてました。

 

真剣に。

(ああ、子供の妄想ってすごいな)

 

 

で、思春期も近づいてくるとだんだん、そうした事情も察してくるんです。

うちには、表立って言えないヒミツが隠れているって。

 

続く....

 

因果応報って?

罪の意識ってどうして人間って感じるのか?そして、それは、常に後悔ともに、事後にしか起きない表象なのか?別に、ラスコーリニコフを気取ってる訳でもなんでもなんですけど。

私のよく行っていたレストランで聞いた話なんですけど。

昔々、あるお店の有名フレンチシェフが、それはそれは人の好みが激しい人で。周囲の意見からすると仕事の力量でなく完全に、合う合わないの性格的な側面で人の徴用を決めてるって。言われてて。

というと、三谷幸喜さんのドラマ、王様のレストランみたいな話なんですけど。

まあ、仕事はできるシェフでお店もそれなりに繁盛してて。

そのシェフ、満を持して独立。オーナーを見つけて自分の理想のお店作りができると。物件を見つけて準備は、順調、快調、のはずだったんですけど。

雲行きが怪しくなったのは、そのオーナーが人の好き嫌いのとっても激しい人だということが徐々をわかってきて。

シェフとオーナーの蜜月の関係が、知らぬ間に崩れてきてしまって。

結局、オーナーがシェフを追い出す形で決着。シェフとすれば夢の形がもろくも崩れしまい‥。

シェフがこれまで嫌いで、追い出した料理人達の気持ちを図らずも知ることになってしまったのだなと。

シェフは、その時、これまでのことを悔いたか?反省したかは、まあ、わからないんですけど。

いっつもこの話聞くと、ほんと、因果応報って言葉を常々思い出します。
人の行いの、何かしらの意義や価値は、どこかでどんどん蓄積されて必ず精算しなければならない時がくる。

今この歳で私は、この四字熟語を、そんな風に解釈するんですが‥。

花火ときくと思い出すこと。

私の田舎は、ちょっと外の人にも誇れるような花火大会が8月に催されます。

田舎人なりのささやかな勲章とでもいうのでしょうか、ちっちゃな頃から、あの花火大会

は、本当に凄いんだよ。数といい、質といい。

 

なんて、親や、周囲の人から聞かされていました。

 

で、思春期のはなし。

 

だから、みんな、異性を意識した年頃から、小学生の高学年くらいかな。

 

誰に、告白して、誰と花火大会に行くか?なんてことのすごい妄想がはじまります。

 

もう、暑くなると同時くらいに、頭の中もそれをなんとか実現させようとヒートアップみたいにしてる状態になります。

 

もう、一生懸命ラブレター書いたり。もちろん、紙とペンつかって。

 

辺り構わず告白しまくり、振られまくる奴とか。

 

狙いを定めて、新年ぐらいから慎重に、好きな子にアプローチをしてく奴とか。

 

wブッキングしてテンパってる奴とか。

 

それは、それは、田舎のちっちゃな10万人都市ですが、待ち中全体ですかね、そわそわしてるんです。

 

ゆっくりね、ゆっくり、いつもよりゆっくり学校から帰るんです。

意味なく、振り返ったりとかしたりして。

意味なく、公園道草したりとか。別に、したくもないのに。

 

......誰か、告白にこないかな?.......

 

下駄箱開けるのに、手紙!と、期待して毎日開けたりとか...

 

机の中を無意味にさばくったりとか....

 

なので、毎年、花火ときくとあの頃の情景をいつも思い出します。

 

なんの予定もないのに、なにかを待ってる期待感とワクワクな気持ちと一緒に、授業の終わった、放課後の教室の残っている感覚、あの空気感。

 

他愛のない雑談。

 

でも、みんな頭の中は、なんか違うこと考えてる。

 

僕にとっての花火大会は、綺麗さや、凄い音でもなんでもなく、何かを、起こり得そうなで起こり得ない、

    

『奇跡を待つ』は、言い過ぎかな。

 

あの、待っている、

 

なんとも言えない恍惚感に満たされた、

 

それは、それは、美しい教室の夕暮れかもしれません。

 

青山トンネルで痴漢に遭遇した夏。

人生で、痴漢に遭遇したのは、これで2度目のことです。

 

1度目は、日比谷線の車内の中で。

性的人間 in 痴漢電車 - peekaki’s diary

 

で、今回。

 

暑い夏でした。用事があって六本木から渋谷まで、246をずっと自転車でのんびり走ってました。六本木からですと、西麻布の交差点でぐっとおりて上がって、それからは、比較的なだらかなに下がっていっている感じ。比較的こぐの楽な感じなんですよね。で、たらたら。自転車のカゴを気にしながら。

 

友人の結婚式の祝いということで、六本木のワインショップで、シャンパン購入してました。やや危ないながら、カタコトトと。

 

で、青山トンネルの手前の交差点あたりで。

 

道路挟んで反対側の歩道に、

赤いキャリーバックでゴロゴロ歩いている女性がいました。

白いシャツ体のラインがくっきりでてまして、デニムのショートパンツですかね。

長く白い足がこれもはっきり、すらっと。薄暗い電灯の中ではっきり見て取れました。

 

で、女性、信号待ちしてまして。

と、その時、信号無視のベスパが徐々に女性に近づいていくんです。

あれ、とやや、はなれた場所から自転車漕ぎながら、見ていると。

 

おもむろに、ベスパにのっている男がおりまして。

いきなり女性の後ろからガバッと抱きつき。

 

下品な言い方しますと、後ろから乳揉んでいるです。

 

声にならないような感じで、「ちかんです...助けて!!」と必死に叫ぶ女性。

しゃがみこむんですが、調子にのってのしかかるように、止めない痴漢。

 

とっさですかね。

自転車、乗り捨てて。

 

駆け寄って。

 

引き離して。

 

肩つかまえようとしたんですが、奴も必死に逃げに入って。

顔、対峙した時に、「うんぎゃー」なんて訳のわからなし声を

私に発しました。

メガネかけて、まあ、学生ですかね。大人しい感じ、23、24歳といったところ。

いやあ、間近30cmのところに痴漢の顔ありましたから、びっくりしましたし、

今思い出しても、あの表情と、奇声、気持ち悪くて。

変なことって憶えているもんですね。

 

逃げる奴。

バイクに乗り込もうと。

追いかけてベスパ蹴ろうとしたんですが、届かず。

ブーっと。

 

で、女性に駆け寄ると。

「ありがとうございます」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫です。こういうこと、よくあるんです」

「よく!?。はあ」

「ところで、バイクのナンバー見ましたか?」

「いやあ、それどころでなく必死で追いかけてたんで」

「大丈夫です。私憶えてますから」

で、携帯とりだして、警察に、

「はいはい、そうなんです。青山トンネルの手前の交差点で。

はいはい。茶色のベスパで、ナンバーは、××23..です。

きっと、この辺徘徊しているんで、気をつけてください。

はい、はい。あっ、私は、全然平気です。それじゃあ、お願いします」

 

また、手際のいいこといいこと。

ちょっと、びっくりしながら。

「大丈夫ですか?少し送りましょうか?」

「あっ、全然平気です。ありがとうございました。

 それじゃあ」

 

って、またゴロゴロと。去って行きまして。

 

しかし、どれくらいこんなこと経験して、事後処理含めて慣れたんでしょうね。

あんな、状況の中、被害者の彼女が、きちんとバイクのナンバー憶えてたのも、

いやあ、いろんなことが驚きでした。

 

なんだか、変な気持ちのまま、自転車へ戻って。

ちょっと、正義のヒーローしたような、仕損なったような気分で。

救いは、「しまった!」と思って割れてるものと思ったワインが、

乱暴に乗り捨てたカゴの中で存外無事だったことぐらいですかね。

 

 

 

 

 

 

ああ、おれ、ここでのたれ死ぬなと、はじめての海外で思った瞬間。 Episode Ⅲ

で、その運転手さん待合室、集会所みたいなところで、待つ事、何分だろう?

 

時計を見るとか、そんなことすら考えなかったですね。

15分か?1時間か?

もう、時間の感覚がワカラナイ。

ほんと、こういう時の時間感覚って主観的だなと。

ずーと、運転手さん達の出入りと、トランプゲームみたいの見続けていました。

 

ふとしたところで、

ウーさん、あらわる。

で、また、こっち来いみたいな手招きされて。

 

外の水道で、あたま、水洗いしている別の運転手さん?のところへ近寄って行って。

ウーさん、なんだか事情説明してくれてるみたいで。

 

「おーおーわかったぞ」みたいな会話されてて。

 

で、ウーさんからその運転手さん、ワンさん(仮名)へ私の身柄は、引き渡されて。

 

今度は、ワンさんのバスへ乗り込む。40名ぐらい乗れる、大型のバス。

乗っているのは、二人っきり。

これは、間違いなく。

 

なんだか、私も、うれしくなって一生懸命喋ってみました。

「これ、いつも、乗っているバスなんですか?」

「いつもどこ、走っているんですか?」

「結婚されているんですか?」

もう、会話成立しないの分かっているんですけど、ひたすら話かけていました。

また、1時間くらいですかね。そんなバス道中。

 

で、目的地、ある大通りで、右に寄せてバスが、止まり、ここの道、まっすぐ行けとみたいな仕草。

 

もう、どう感謝していいのか分からず、財布から日本円、5000円だして渡そうとしたのですが、いい、いい、って受け取らないないんです。代わりに、指で輪っか作って。

「小銭?」で、ぱらぱら、もってる百円、50円、10円渡して。

ワンさん、それをすごく、うれしそうに受け取ってくれて。

なんだか、目の前にかざしてじっと見てるんです。

もう、そんな姿もかわいくって、かわいくって。

 

で、握手したくて手だしたら、ワンさんも恥ずかしそうにおずおずとだして。

「本当に、ありがとうございました。一生、忘れません」

って、こんなセリフほんとに、人は、言うんだ。ほんとの気持ちで。

 

外は、まっくら。昼過ぎの空港のバスから、もうすっかり夜の10時すぎ。

なんとか、宿につきましてまあ、心配していた友人に本当に滅茶苦茶怒られました。

 

それ以来、ほんとに、台湾の人大好きになりました。その後の旅行も、親切で人柄の良い台湾の人に沢山出会えて、楽しい旅行となりました。

 

「ああ、おれ、ここでは、のたれ死なずにすんだ」

ってなお話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、おれ、ここでのたれ死ぬなと、はじめての海外で思った瞬間。 Episode Ⅱ

とにかく、バスの運転手さんに助けてもらおうとして。

事情を説明(まあ、できる訳ないんですけど.....してみようと思いまして)

前部の運転席に駆け寄ったんです。

 

おまけに長く乗ってたので手持ちの台湾ドルですと、運賃も払えないですし.....

「どうしよう、無賃乗車で、警察呼ばれたら、いや、警察いったら日本語喋れる人表れて、もしかしたら助けてくれるかも?いやいや、ここは、外国、よくクスリに手だした

外国観光客が、裁判にかけられて、なんて話もあるし」

 

数秒のうちに不安の思考の渦が廻る、廻る。

ああ、外国労働者として一生、ここで皿洗いとして過ごすのか?

結婚ぐらいしたかったな....子の親にもなってみたかったな....

とは、ポジティブななんだか、それすらも分からなく頭にいろんな要素がよぎります。

 

手紙に友人がルームシェアしている部屋の電話番号書いてあったので、

「とにかく、電話を借りたい。貸してくれ」って、日本語、英語で意思を伝えてみるのですが、まあ、運転手さん、これが表情読めないんです。理解しているのか、怒っているかも、困っているのか、さっぱりわからない。電話のジェスチャー、手で、受話器もってるあれ、やっても、なんだか理解してくれていない。えっ、この電話ジェスチャーって全世界、人類共通じゃないのなんて、泣き叫びたい気分に襲われます。しまいに、僕のこと、無視気味に自分の荷物片付けだして降りる支度始めました。

 

ええ、まじで、この地、台湾の地、見知らぬ土地でおいてけぼり......

野垂れ死に.....

 

そんな想念がよぎる最中に、身支度整えた運転手さん、ちょっと僕のこと手招きするんです。「こっち、来い」みたいな感じで。

どうなるかわかんないけど、ついていくしかないですよね。

選択肢なんてある訳ない。

 

そしたら、小さな小屋というのかな、いわゆるバス運転手さん達の休憩所連れて行かれました。

で、そこに座ってろみたいな仕草。

 

おお、なんだかこれは、いい方向に間違いないぞ、とちょっとだけ気持ちほぐれてきました。これは、チャンスとばかりにとにかく、もってる友人の手紙見して、住所が書いてあったので、ここへ行きたい !と、必死の形相で、必死に懇願する。

 

また、相変わらず表情読めないんですよね。同じ、アジア人なのに、理解しているのか?無視しているのか?本当に、ワカラナイ。

 

で、その運転手さん、仮に名前を、(ウーさんとします) ウーさんどっかいってしまうんんです。僕の事情を分かっている唯一、のウーさん。どこいくの、助けてよ。

 

その部屋、また、30人くらいの台湾の運転手さんのいる部屋で。

 

で、僕の座っている椅子のすぐ近くで、4人がカードやってるんですよ。まったく見たことないカードで、記号だかな、漢字だかなんだか書いてあって。

お金、かけてるみたいな感じで。ポーカーみたいですかね。また、だれかの手でオーオーやら、くやしいやら、勿論台湾語でやりとりしていまして。

 

興味もってルールどうなんだろう?ってずっと見てたら、テーブルの一人が、お、お前も参加するか?みたいな仕草。いやいや、まだルールわからないしと、首振ったら、なんだか皆んな、大爆笑して。

なに、おれの仕草そんなにおかしいのか?

 

-続きます-

 

 

 

 

ああ、おれ、ここでのたれ死ぬなと、はじめての海外で思った瞬間。 Episode Ⅰ

初めての海外旅行で本当に

「あっ、おれ、死ぬなこれ」って思ったハナシなんですけど。

 

遠い昔、といってもまあ、20年前くらいのことで。

 

台湾行ったんです。ひとりで。初めての海外旅行で。

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いまこそ、台湾も日本人向けにTVでCMとか、してて結構行ってる人多いとは思うんですけど、私の行った頃は、まだ、そうでもなく。

結構、向こうで日本人の観光客なんて、珍しがられました。

 

また、それは、安全になってからの話で。

 

友人が、台湾で仕事してまして、遊びに来いとの手紙を頼りに、はじめてパスポートとって、はじめて飛行機に乗ってピューっと。

 

勿論、海外でsim freeの携帯とかなんてある訳ない時代なんで、

 

手紙に、現地に着いたら、これこれのバス停から乗って、あれこれで、降りれば迎えにいけるからと。1枚、台湾の紙幣が入ってまして。注意書きで、

 

「空港は、レートが高いから日本円は、両替するな。また、こっち来てから手続するから」と。まあ、友情、気遣い。

 

で、右も左も分からない空港で、なんとかバスに乗り込んで。不安ばかりのバスの車内で、降りそびれたらいけないと、ずっと、目的のバス停こないかと、外、凝視してたんですけど。

 

目的のバス停にちっとも停まらない。そのバス停が、いつまでたっても現れない。

外も暗くなってきてあれれと思っているうちに、バスが、倉庫に入ってくんですよ。

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あっ、やってしまった。乗り間違いか、バス停見逃したか、そこではじめて気付いて。

で、台湾語もできないし、日本円もってないし、ここ、まったくの外国だし、もちろん、(携帯なんてもってないし、というかない時代だし)、外は、完全夜だし、

 

「ああ、死ぬな、おれ。ここで、のたれ死ぬな......]

真剣に思いました。 

 

-続きます-